申如録

日常生活で考えたことなど

眠られないよるのたわごと 2

オフの日

頭が重いと思ったら
低気圧がのしかかっていた

足が重いと思ったら
地球がぶらさがっていた

気持ちが浮かないと思ったら
過去がまとわりついていた

なんでもない一日
ひねもす窓の外を眺める

街路樹

街路樹に申し訳ない
ひとの都合でこんなところに植えてしまって
すぐ横では車がびゅんびゅん走っているし
地表はアスファルトで覆われている
酔った人が根本めがけてげろを吐いたりもする

街路樹に申し訳ない
ひとの都合でこんなところに植えてしまって
のびのびと生きているだけなのに
それがまるでいけないことみたいに
定期的に剪定されてしまうのだ

そんなことを思いながら歩いていたら
ふと暖かいものが胸に流れこんできた
「大丈夫だよ、問題ないよ」
なんと超然としたやさしい態度だろう
私の申し訳なさもひとの都合にすぎなかったのかもしれない

詩のサブスク

「年額15,000円で詩集が毎月家に届きます」
古本屋で本をめくっていたらそんなハガキが挟まっていた
毎月詩集が家に届くなんてこれは素敵だ
15,000円という金額もなんだかちょうどいい

昨日はじめて詩集が届いた
中身はいったい何だろう?
その場で開けたい気持ちを抑えて部屋に戻る
そんなそわそわが楽しくて

包みのなかに入っていたのは
文庫サイズのきらぼしのような装丁
私の好きな詩人の詩集!
幸先のよい一冊目

ひとが生きていくためには
出会いと場所があればいい
願わくばこのサブスクが
多くのひとに愛されますように

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たわごと 1 はここから