駅の待合室に、かばんに瓶を忍ばせた男がいた。男がかばんをごそごそと探るたびにキン、と高い音が鳴り、私の意識はかばんに吸い寄せられた。 中村文則の『遮光』という小説にも似たような男が出てくる。その男は黒いビニールで包んだ瓶を人目を避けるように…
先日の朝、駅に向かって歩いていたら近所の民家が燃えていた。すでに消防車が何台も駆けつけており炎は見えなかったものの、真っ黒に焼け焦げた民家ともうもうと立ち昇る煙がその家の終わりを表していた。 家が燃えるというのは考えてみれば大変な事態だ。生…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。